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チラシの裏 4枚目

150im@s fantasy9 第四十二話 1/3:2010/05/19(水) 01:12:14 ID:dUuyYYeA0
ビビは、時間が欲しかった。
この現実をまず受け入れる時間を。…一人で、頭を整理する時間を。

村の端、チョコボ小屋で一人、頭を抱える。縮こまる。
どうしようもない現実に。自分に迫る現実に。仮に自分がそうでなかったとして、
他の者には既に来ているという現実に。


228号はビビの元にゆっくりとやってきた。
そして…
「一言だけ言わせてくれないかな。」

「僕達の元となった最初の一体は、少し長く時間を与えられたらしいけど…
 おおよそ、僕達に与えられた時間は1年なんだ。

 死ぬのは怖いよ。僕だって怖い、多分皆だって知ってしまえば怖くなる。
 だからそれまでの間…みんなと何かを作ったり、おしゃべりしたり、遊んだり…」


そして帰っていった。
「そういう時間を楽しみたいんだ。」


「………」
ビビは考え続けていた。






こうして黒魔道士の村の夜が訪れる。



「……ビビ君、悩んでるみたいだったよ…」
真っ暗な宿屋の夜。
二段ベッドの下段にドリルと美希は一緒に寝ることになった。
ビビは上に寝る予定。

「っていうかその、恥ずかしいんだけど…」
「気にしなくていいと思うな」
の割りには息が荒い。ドリルは身の危険を感じずにはいられない。



「…ビビのことなら、放っておこうよ。
 そんなことより、二人っきりの時間を楽しもう?ドリル♪」
「もう、美希ちゃんたら…」
ドリルの胸に伸ばされた腕の手首を掴む。



「けど、正直…ビビの好きにさせておくべきだと思うんだ」
「……けど、今まで旅してきた仲間だよ?」


「だからこそだよ。
 ビビは今、自分のことについて一生懸命考えてるんだよ」
「…うん」


ビビはまだ外にいる。
外で、夜空に浮かぶ星と2つの月を見ている。


「考えてもみてよ。
 今まで生きていて、心細い思いをしたりしながら、
 ここまできてやっと自分と同じ仲間たちに会えたっていうのに…
 そこからの決断にミキ達がどうこう言っていい問題なのかな?」
「………それは」
美希は真剣だった。

「…もしかしたら、ここがビビの…」
「ビビ君の?」


「いつか帰るところかもしれない。」


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