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チラシの裏 4枚目
148
:
im@s fantay9 第四十一話 3/3
:2010/05/18(火) 02:04:56 ID:d1Mk19qs0
思いも寄らぬ言葉。
一瞬、動くこともままならなかった。
「え…」
向き直る。
ビビは知っている。お墓の意味を。
「じゃあ…もしかして…」
「そうだよ
僕らの仲間が動かなくなったまま…この下に眠っているんだ。」
その言葉は果たして単に人間のそれと同じ意味であるのか。
「動かなくなったって…どうして……」
その場にもう一人いた黒魔道士は言う。
「ぼくね、この下にいる36号君と一緒に逃げ出してきたんだ」
「みんなでこうやって村を作ったけどわからないことだらけで…」
「けどある日、36君が動かなくなっちゃったんだ。
ぴくりとも何も言わなくなって…
物知りな友達が言ったんだ、これが『死ぬ』ことだって。
そうなったら、土の中に隠れなきゃならないんだって。」
「…」
「……」
「36号君はどうして隠れなきゃならないんだろう?
ぼくにはわかんないや。
けど土の中って汚いから、出てきたときには体洗ってあげなきゃね。」
「36号君………
…僕の名前はビビだけど…ねえ、君の名前は?」
「ぼくは56号っていうんだ」
暫くして、用事があると56号は墓の前を去った。
墓守と思われる、あの黒魔道士とビビの二人だけになる。
「君は…知っているようだね」
「え…?」
「死ぬってことについて。」
ビビは思い返す。
自分は戦争の中に入って行った身だ。それも最近。
…死に関しては……
「どうなのかなぁ…。僕には…よく解らないよ」
…解る、と言える者などそういないであろう。
いや…生きている限り、言えないことなのかもしれない。
「それでも多分、さっきの反応を見た限りだと他の皆より知っていると思う
…僕の名前は、288号って言うんだけど」
「288号さん…だね」
黒魔道士は言う。
「僕達の名前は、数字で出来ているんだ。
早く作られた順に、数字が小さいものから大きなものになっていくみたいだ。
最近、動かなくなる仲間が出てきたんだ… 名前の小さい仲間からね」
「これは僕の考えだけど…
死ぬのは病気や怪我のせいじゃない。もちろん、そのせいもあるかもしれないけど…」
「それ以前に、僕らの生きていられる時間はあらかじめ決まっているのかもしれない…
そう思い始めてきたんだ。」
ビビは…言葉を失った。
「このこと…悪いけど、みんなには内緒にしておいてくれるかな。」
そして…
「……」
そのまま、走り去っていった。
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