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持ち帰ったキャラで雑談 その二
98
:
確執編十五章:再動の荒野 6/7
:2007/06/24(日) 22:38:36
召喚魔法というと他者の力頼みという印象を受けるかもしれない。
けど、そうじゃない。
完全な『顕現』とは異なり、召喚士の開く道を介してしか存在出来ない『召喚』では
その力を100%発揮することは適わない。
結局、術士の力に依存することになる。
「いけー」
相対する火竜の危険性を悟ったか、バハムートはその場から大きく退いた。
その火竜はおもむろに口を開くと、周囲の酸素を食い散らかして火柱を吐き出した。
ビルに直撃しては粉砕し、山に直撃しては豆腐のように貫いて、地平線の向こうに消えていく。
ここまですさまじいともう笑うしかない。
――もちろん、退くつもりはなかった。
「お願い。私と一緒にあの娘を止めて」
こういうのも神に祈るって言うんだろうか。
私の全力はアスミに遠く及ばないけれど。
覚悟なら、今の彼女にだって負ける気がしなかった。
神竜が大きく息を吸った、気がする。
それは初動。月に降り注ぐ、星をもまたいで輝く美しき御柱。
大気が、啼いた。
私の魔力に依存したメガフレアじゃ、アスミの火竜には敵わない。
ならば――足りない力は数でカバーするしかない。
「彩れ――フレア」
魔法と召喚のダブルタスク。
初めて試すけど、魔法はちゃんと発動した。
空間爆砕系の魔法を回避するのは容易じゃない。
二重のフレアは火竜に直撃した。アスミの魔力がどれだけ膨大でも、この威力を殺すことは出来ない。
火竜の存在は私にとっても都合がよかった。アスミを相手にするよりもはるかにやりやすい。
再び火竜が口を開いた。狙いは――バハムート。
レーザーのような炎が一直線に神竜を貫く――直前、私は召喚を解いた。
膨大な力量に大気が乱れ、風が吹き荒れる。
さらわれそうになる髪も無視して呪を紡ぐ。
火竜の次の一撃より早く唱え終わらなければ、その時点で敗北が確定する。
一撃にありったけの全力を込める。
小さく祈る――どうか、アスミに当たりませんように。
「堕ちろ――メテオ!」
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