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持ち帰ったキャラで雑談 その二

96確執編十五章:再動の荒野        4/7:2007/06/24(日) 22:36:05
「ストップ」
 その言葉を聞いた時は、かなり息が切れてたこともあって心臓が止まるかと思った。
 てっきり『ここ』には自分達以外誰もいないと思っていたからだ。
 けど、暗闇の中目をこらしてみれば、それは見知った顔だった。
「……プリシス?」
 何故こんなところに、なんて質問は無意味だと途中で気づく。
「あなたも…今の私を否定する?」
 プリシスはわずかに驚いたような顔をして、それから笑う。
「あたしは最初からアンタもアーチェも否定する気はないよ。
 ケンカなんて少しでも仲良くなったらして当然じゃん」
「……ありがとう。優しいね、プリシスは」
「別にいーって、友達でしょ?」
 何の気なしに言ってくれる彼女の言葉が、何より心にしみてくる。
「で、リディアはどうするの? このままじゃアスミに追いつかれるのは時間の問題だよ」
「あっ……!」
 現状を思い出して慌てて背後を振り返る。
「あー、大丈夫。少しだけ時間を寄越せって言ってあるから」
「……そう」
 あの状態のアスミをどうやって留めているんだろう。
 何かがひっかかる。
「私は…どうしたら、許してもらえるのかな」
「アスミに? それとも、アーチェに?」
「……アスミに」
 プリシスの目が、ほんの少しだけ悲しそうに歪んだ、気がした。
「あの娘に関してはあたしよりリディアのが詳しいと思うけど……」
 プリシスは小さく一度かぶりを振って、
「今のままじゃ絶対に止まらない、らしい」
 こくりとうなずく。伝言形であることも含めて。
「彼女を止めたかったら、一度『リセット』するしかない」
「リセット?」
「アスミの純粋さは機械のそれだからって。あたしが聞いたのはそれだけ」
 機械の純粋さ。私には意味がわからない。
「プリシスは、それでわかったんだね」
 応えの代わりに、プリシスは何かをこちらに投げてきた。
 受け取って眺める。それは飴玉だった。
「あたしが気づけたんだから、リディアだってわかるよ」


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