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持ち帰ったキャラで雑談 その二

9確執編十一章:ギリギリの導き      4/8:2007/05/13(日) 21:38:49
「アーチェ。ボーッと見てないで加勢してよ」
 こちらのすぐ傍まで戻ってくるなり、どこか拗ねた声音で一言。
 たった今見せた死戦とのギャップと相俟って、なんだか可愛い。
「……ど、どうやって加勢すんのよ」
 今この2人が展開した死合は、あたしじゃ目で追うのがやっとの世界だ。
「あなた、魔法使いでしょう?」
「そうだけど…あんな接近戦でボコスカやってるとこに、魔法なんて撃てるわけないじゃん」
「どうして? 逃げ回らないだけ返って当てやすいでしょうに」
「アンタにも当たっちゃうでしょうが!」
 あたしには至近距離で戦ってる2人のどちらかだけを狙うなんて不可能だ。
 いや、たとえ出来たとしても、やらない。
 正確にどちらかを狙ったとしても、その余波は確実にもう一人を巻き込むだろう。
 セリスは少し考えるように黙ってから、あぁとうなずいた。
「そうか、アーチェは知らないのね」
「何がよ」
「まぁいいわ。とにかく私のことは構わなくていいから、最大出力で援護をお願い」
「だから、大丈夫な理由を説明してってば!」
 応えの代わりに、銀光が交わる激しい金属音が轟いてきた。

 セリスの戦闘スタイルは、右手に片手用の細身剣、左手に投擲用の短剣というのが主流らしい。
 見た目は確かに二刀流だけど、実際の戦闘スタイルはイメージとはちょっと異なる。
 二本の剣で滅多に斬り付けるなんてことはしないで、
右手で攻撃する時は短剣を盾に、左手で攻撃なら細身剣を盾にと、
つまりは剣と盾の役割をその都度変えてくってものらしい。
 そのスタイルは千変万化で、攻撃に一定のリズムがない。
 リズムがあるってのは、つまりは流れが決まってるってこと。
 それは戦闘を支配する意味を持つ反面、自分の流れに動きを縛られるって欠点も持ち合わせる。
 格闘ゲームを思い浮かべてほしい。一定のリズムを持ったコンボは決まれば有効だけど、
何度も使ってればそのうち相手にリズムを読まれ、逆用されてしまう。
 それと同じことだ。
 特有のスタイルを持つ『アクマ』の剣術の前には、下手なリズムはかえって隙をつくってしまうんだろう。
 うん。それはいい。
「……で、この状態でどうやって魔法を使うのよ」
 当たり前だけど、威力が大きい魔法ほど効果範囲は広くなる。
 最大出力なんかで撃てば、たとえ数メートル離れてたって巻き込んでしまう。
 ――けど、セリスはそれをわかった上で、あぁ言ったんだよね。
 なら、彼女にも何か策があるんだろう。
 あたしはそれを信じることにした。


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