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持ち帰ったキャラで雑談 その二

8確執編十一章:ギリギリの導き      3/8:2007/05/13(日) 21:36:53
 どうも話はあたしを置き去りにして勝手に進んでいった様子。
 何が何やらわからないまま、あたしは『アクマ』に剣の切っ先を向けられた。
 ――んな理不尽な流れで、殺されてたまるもんですか!
「アーチェ」
『アクマ』と対峙してるため、自然背後から聞こえてくる声。
 振り向きもせずに応える。
「何?」
「奴の剣戟は私がおさえる――あなたは後ろから私のサポートをして」
 言葉の間に挟んだ、一瞬の間。
 その空白の間に、声はすぐ隣から聞こえてくるようになった。
「一体、何がどうなってんの? 何でアンタはあたしの味方をしてくれるワケ?」
「話してる時間があると思う?」
 腰の柄に手をかけながら、『アクマ』の方を一瞥。
「けど、そうね――」
 その目に揺らぐのは、紛れもない――殺意。

「私は奴らが一方的に振りかざしてる正義が気に入らない。それだけ」

 殺し合いは、いきなりあたしじゃ視認できない速度で始まった。
 5メートルはあった彼我の距離を一瞬で0に縮め、セリスが『アクマ』の胴体を薙ぐ。
 が、そこにすでに『アクマ』の姿はない。
 軽く宙を跳ね、ギリギリのところで剣先をかわしながら、
あろうことかその体勢のまま空中で袈裟斬りに剣を振るう。
『アクマ』は重力に縛られない。中空は彼女にとって第二の支配領域だ。
 セリスもその動きは予想してなかったのか、素人目にわかるほど対応が遅れた。
 左肩から断ち割られる様が脳裏をよぎる。
 ――やられる!
 と思った瞬間、セリスの左手が動いた。
 いつの間にかその手に握られた短剣が、『アクマ』の剣閃をかろうじてうけとめる。
 逆にガラ開きになったその胴体に向けて、セリスの刺突が疾った。
 それより早く宙を空打ちした翼が『アクマ』の体を背後へと遣る。
 セリスもまたバックステップで間合いをとる。
 右手には剣を、左手にはそれよりわずかに刃の短い投擲用の剣を携えて。
 
 一連の動作が、わずかまばたき数度の間に行われた。


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