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持ち帰ったキャラで雑談 その二

7確執編十一章:ギリギリの導き      2/8:2007/05/13(日) 21:35:57
「『アクマ』」
 そう言葉を紡いだのは、しかしあたしじゃなかった。
 聞こえてきたのは背後。
 振り返ると、いつの間にかそこには一人の姿が立っている。
 流れるような金の長髪。どこか物憂げな瞳。
 そして、腰に長剣を携えた出で立ちは。
「……セリス」
 かつては軍属だったこともあるという、生粋の剣士。
 その双眸が冷たくこちらに向けられている。
 ――冗談じゃなかった。
 一対一でさえ絶望的なこの状況下で、さらに伏兵が現れるなんてありえない。
 アイツが求めてるのは戦いですらない、ただの殺戮だとでも言うんだろうか。
 けど、意外にそれを否定する言葉が向こうから来た。
「交わされた契約を忘れたか。示威行為以外で抜剣するなら黙っていない」
「……契約?」
 あたしの知らない何かが、二人の間で行われている。
「黙っていない、ね。ならば、どうするというのです?」
「無論、お前の敵に回らせてもらう」
 そもそも、と、
「私はお前達の間で一方的に取り交わされたルールが気に入らない」
「それがすべてにとって正しい、とあの人間は考えているようですけれど?」
「傲慢な。他人に押し付けていい正しさなどあるものか」
「部外者のあなたが、ずいぶんと入れ込んだことを」
「部外者というなら、お前も、あの男も、同じことだ」
「――平行線、ですか」
 小さく溜息をひとつ。
「それこそあなたの自己満足に過ぎないというのに」
 明らかに両手で扱う長大な剣を、しかし彼女は片手で構える。
 実戦剣術というより、どこか儀礼的な優雅さをまとった立ち振る舞い。

「いいでしょう。一人も二人も変わりません。
 アレには『反逆の末に共に掃滅』とでも伝えることにします」


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