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持ち帰ったキャラで雑談 その二

571名無しさん:2012/06/13(水) 16:49:59 ID:5mna.40QO
(ああいけない、やってしまった)
猟奇殺人現場と化した路地を一望し、深く息を付く。
敵をなぶり殺すのは悪い癖だ。悪いことにここは人が居ない辺境の惑星ではない。
辺りに立ち込める血の臭いが表の通りに流れるのにはそう時間はかからないだろう。
凶器は鋭利な刃物、現場に残った靴のサイズは…と様々な分析が成されるも、犯人に結び付くものは発見出来ず、迷宮入り。
唯一の目撃者も消えてしまえば、彼女にとって不利な物はなくなる。理想的だ。

(それじゃあさっさとご退場願いましょうかね)

そう思い、振り返りかけたヤラの視界に鋭利な刃物が映る。
「 」
言葉を発する間もなく、目を抉ろうとするそれをなんとか弾き飛ばし、後ろへと距離を開ける。
舌打ちをしながら、自分の背後を取っていた人物を見つめる。
深くかぶった帽子に体のラインを隠すような大きめのコート、男とも女とも取れる曖昧な身長。
(よもや人間如きに背後を取られるとは!)
ぎりりと奥歯を噛みながら、怒りに顔を歪ませる。
相手はそんな彼女の様子を気にした様子もなく、コートの袖からナイフを覗かせている。
(次に近付いた時に武器を奪って殺してやる!)
次に来るであろう、攻撃に備えて身構えた、その時だった。

「か…は…!?」

口から空気の漏れる音と共に熱い物が上がってくる。背後の壁から自分を貫いた黒い槍を信じられない眼差しで見下ろし、相手に視線を向ける。
相手の口許に浮かんだ笑みに小さく毒づきながら、ヤラは意識を手放した。


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