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持ち帰ったキャラで雑談 その二
563
:
通話
:2010/08/21(土) 00:18:12 ID:HCSgDpJIO
着信を告げる音が静まり返った木々の間に谺する。
モニターに写し出された名前を一瞥し、通話ボタンを押す。
『もしもし?今何処に居るのよ?』
「空の下の何処かよ」
『……、質問を変えるわ、日本国内なの?それとも海外?』
「世界の星空が綺麗な場所よ」
電話の主がつく溜め息を聞きながら、細長く煙を空へと吐き出す。
煙の向こう側では細かく砕けたガラスの様に淡い光が瞬いていた。
「ここはいいわよ、人間も居ない、車も居ない、なんてったって」
通話口に煙を吐きかけながら、にやりと笑う。
「存分に煙草が吸える」
匂いが届く訳でもないが―恐らく嫌味だ、電話の向こうで咳払いを一つして、相手が話し出す。
『たまには連絡するか、顔見せに帰ってきなさい』
「近々ね。じゃ、切るわ」
『ちょっとまだ話h』
―相変わらずの心配性。
今頃憤慨しているだろう電話の主を思い浮かべながら、新しい煙草に火を付け、空へと吐き出す。
どんなに遠くへ行こうと、胸の奥で燻るモノはいまだにヒトを許すなと囁き、再び暴れ回る事もあるだろう。
もしかすると、また正義の味方に追われる事になるかもしれない。
それでも、あの連中は戸口を開けて、帰りを待っていてくれるだろう。
家族という、奇妙な集まりのもとに。
(本当に、馬鹿でおめでたい連中よ)
煙に隠れたドロシーの横顔には、けれど、安堵した様な笑みが浮かんでいた。
帰りを待っててくれる場所があるって安心するよね
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