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持ち帰ったキャラで雑談 その二

555五年の月日:2010/05/07(金) 05:31:33 ID:UMut5za.0
深夜、誰も居ないはずの台所
夜の誰もかもが寝静まった時間に似つかわしくない音が響いていた
湯の沸く音、焜炉の火の音、何かを切る音…
そしてそれらは少しの時間の後、ぴたりと止まった

「今日の夜食はもうこれでいいや」
手元に簡単ながらも食欲をそそられそうなペペロンチーノを手にしているのはこの家の主、如月ダーク
…尤も、今の彼はダークという呼び名を変えたいと思っているのだが…
どうやら小腹が空いたのか、夜食を作っていたようだ。
(夜食にペペロンチーノを自作するとか言うのもちょっとあれかもだが自分にとってはいつものことであるby中の人)
そして冷蔵庫の中から瓶を一本取り出し、静まりかえった食卓に座る
夜遅くに、一人で、静かに食べる
これは彼のささやかな楽しみである

自作のパスタを味わいながら、冷蔵庫の中から取ってきた瓶を見る
・・・どうして、この家にはこういうものが多いんだろう
そう思いながら瓶の蓋を開け、中の液体をグラスにわずかに注ぐ
グラスの4分の1ほど注ぎ、一呼吸おいてから一気に飲み干す
…口の中にツン、とくる何か
昔ほどではないが、どうしても好きにはなれない感覚

「えっ」
ふと声がした方を向くと、そこにはエリアの姿が
「ちょ、だーく?」
普段から顔を合わせ、親しくしているはずの彼女が物珍しげな顔でこちらを見ている
「えっと、それって・・・」
まぁ、驚くのも無理はない
だって、今ちょうど口にしているのは…
「お酒、だよね?」
そう、酒だからだ。

「まぁ、そろそろ自分もあれだしな。 最低でも嗜む程度には飲んでおこうと思って。」
口直しに水を飲みつつ、酒に関しての言い訳をする
まぁ、酒飲んで言い訳するというのはこの二人にとってはとても珍しい光景ではあるが…
「あれって?」
「…もうすぐ、自分の誕生日だよな?」
ダークの誕生日は5月8日、最早明日が誕生日である(これを書いている時点で)
「うん、でもそれが・・・、あっ」
「5年って、早いな」
5年、それはダークとエリアが出会ってからのおおよその年月である
実際にはヶ月単位での誤差はあるがそこは気にしないでおくことにする
「うん、そだね。 もう・・・そんなに経つんだね」
少しの間沈黙が続く。
「ねぇ、ダーク」
「・・・何?」
「これからも、好きで居てくれる?」

「…うん。」
「・・・ん、ありがと。」

たった、これだけのやり取り。
それだけでも、二人には十分だった。

「ん・・・っ」
突然、本当に突然、ダークはエリアを抱きしめた。
「え、ちょっと、ダーク?」
「えと、酔ったかも…」
「酔ってないくせに」
「ばれたか」
どちらから、というわけでもないが二人して笑い出す。
「もう、ダークったら嘘が下手すぎ!」
「ごめんごめん」
「もう・・・、今日だけよ?」
「いいの?」
「嘘、やっぱダメ」
「何だよそれ」
「あはは…っ」
「はは…っ」

長いようで短かった年月、だが彼らの終点はまだまだ遠い
これから二人がどうなるのかは、運命すら知らない…


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