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持ち帰ったキャラで雑談 その二

545ワルツとタンゴは果てしなく:2009/10/12(月) 08:21:47 ID:Y.Un2SS60
黄金に輝くインペリアル・プライムが帝都を覆う摩天楼の西端に沈む頃、皇帝の居城はライトアップによって
昼間とは違った美しさを帝都市民達に提供する。そして中では贅沢な饗宴が銀河系の選ばれた人々に供されていた。

「皇帝陛下、この度はお招きに与り光栄の極みに存じます」
「これはレイトン卿。こちらこそ古く由緒正しい家柄と最高裁長官という帝国の重責を負われるあなたをお招きできて
大変名誉なことです。御令嬢は美しさと実績を重ねておられるようでなにより」
「陛下のお眼鏡に適うとはこれまた光栄と申しましょうか……」

白地に金モールや肩章、勲章で装飾された詰襟の礼装に身を包む皇帝に対してタキシードに蝶ネクタイといった
伝統的なパーティ用の礼装に身を包んだ公爵が挨拶を述べている。儀仗兵の「皇帝陛下御入場」の声と賓客達の
拍手に迎えられて早一時間、彼のような大貴族や大臣、グランド・モフ、元帥といった帝国の実力者達から
代わる代わる挨拶の辞を述べられ、それに返事と彼らに関する話題をいくつか振ることを繰り返していた。

「ふぅ、やっと終わった」
「相変わらず御苦労なことだな」

公爵との挨拶を終えて自分のテーブルに戻ると、同じく他のゲストへ挨拶をしていた皇后も戻っていた。
こちらも白金のティアラを着け、パールホワイトのドレスとドレスグローヴ、肩章といった礼装のいでたちであり、
普段の軍装とは違った女性的な魅力といつもと変わらぬ威厳を醸し出している。

「私は呑まないから食べないと持たないのよね……ああ、おいしい」
「下戸ではないのだから、こういう席でくらい呑めばよかろう?」
「酒は罪だよ、皇后陛下?」

ホーク=バットの香草焼きを切り分けて咀嚼した後に漠然とした返答を返す。ホーク=バットは数ある鳥類の中で
もっとも美味であるとされており、パルパティーン皇帝の時代からパレス内には専用の飼育場が設けられ、
よりおいしく飼育と調理が為されており、晩餐会では皇族と側近のみに振舞われるというものである。
美食家で知られる現皇帝もこの肉を愛しており、「これが食べたくて皇帝なった」とジョークの種にされる程である。

「嗜む程度には悪くあるまい」
「私はリスクを低減する志向があるからねぇ、用心深くないと権力者にはなれないのさ」

暗に酔った時の失態への懸念を示す皇帝。酒の上での失態は社会的に抹殺される。すなわちこれまで積み上げてきた
栄光が全て崩れ去るのである。別の銀河のとある島国ではそれは大して問題にならない文化があるようだが、
ここは銀河帝国である。エリートに絶大な権限と尊敬が寄せられる代わりに目も厳しいのだ。

「まあ……お前が失態をしでかさなかったおかげで今日の冨貴の暮らしがあるのは否定できんな」
「だろう? おお、グランド・モフ・ニーベルンク!ノエリア様」
「久しいな皇帝、そして皇后も」
「ごきげんよう、ノエリア殿。楽しんでいるかな?」

あわてて自分の皿に載っていたホーク=バットの最後の一切れを押し込んで飲み込むと、美しい蒼い髪を靡かせる
ドロイドのグランド・モフに妻と共に挨拶を述べる皇帝。
この華やかな社交場で皇后はふと想う。「あの子も着飾れば他の子達に劣らず美しいだろうに」と。
その脳裏に1人の養女の顔とそれぞれ軍装や礼装で出席している皇子や皇女達を重ねながら。


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