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持ち帰ったキャラで雑談 その二

539ジャズの音色は止まらない:2009/09/29(火) 09:08:44 ID:fv3sa4qcO
普通の人々が賑わう表から少し路地を奥へ入れば、そこはもはや別世界だった。
表を歩けない様なスリやコソドロ、いかつい男達があちこちでいざこざを起こし、魅惑的な娼婦が客を店へと引き入れる。
そんな喧嘩と煙草に溢れた路地を進み、ヤラが足を踏み入れたのは看板が斜める酒場だった。
やっているのか、そもそも店なのかすら判断の難しいそこの扉を開け放つ。
「いらっしゃい」
予想に反して、店内には客が居た。
このゴミ溜りの様なこことは不釣り合いな、上品そうな初老の女性はヤラの姿に深く会釈をした。
対するヤラは手を振って応え、いつもの席に腰を下ろした。
「いつもの、ロックで」
バーテンダーはまるで最初から用意していたように、ヤラの言葉が終わるか否かに琥珀色の液体が入ったグラスを目の前に差し出した。
「それにしても、あんた、良くこんな裏まで来れたわね」
グラスに口をつけながら、女性を見る。
「ここに来れば、お会いできるとお伺いいたしましたので」
クスクスと笑う女性に興味なさそうに酒をあおる。体の中で広がる熱に心地良さを覚えながら、長く息を吐く。
「…べっつにかしこまらなくていいんだけどねぇ。
上位とは言え、自分は離反した群れ出身なんだし」
空になったグラスに新たに酒が注がれる。
あちらのお方ですと言われて見た方向には長い白髪を背中に流した男が居た。


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