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持ち帰ったキャラで雑談 その二

511※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/05/10(日) 21:21:57

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

「こいしっ!」
 総毛立つ感触に、さとりは思わず叫んでいた。
「ん、お姉ちゃん?」
 初めてその存在に気付いたというような声をあげるこいし。
 事実、こいしは声をかけられるその時までさとりを失念していた。
 声をかけようにもこいしを知覚できなかったさとりとは対照的とも言える。
「どうしたの?」
 危機感の欠落したその声に、さとりはまた別の理由で慄然する。
 それはさとりだけが抱いている危惧なのだろうか?
 さとりには十六夜の心が読める。
 それ故に、さとりの全感情が訴えるのだ。
「逃げるわよ」
 ――逃げろ、と。
「逃げる? 何から?」
 だが、こいしにはそれが伝わらない。
「この前のことを忘れたの?」
「この前? あぁ、ひょっとして十六夜に初めましての挨拶をした時?」
「あの時と同じことが起こるわ」
「そうなんだ。でも、その方が面白いよね」
「こいしっ!」
「んー、お姉ちゃんが何でそんなにビクビクしてるのか私にはわかんないよ」
 何故、伝わらないのか。
 それが普通なのだろうか。
 さとりにはわからない。
 心の読めるさとりに、心の読めないこいしのことは――
「……違う」
 そうではない。そんなことは関係ないはずだ。
「お願い、こいし。私の言うことを聞いて」
「……お姉ちゃん?」
「お願いだから……」
 こいしに理解させることができなくても。
 さとりの思いをそのまま伝えることが出来れば。
「あなたが傷つく姿を、私に見せないで」

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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