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持ち帰ったキャラで雑談 その二

507※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/05/05(火) 22:27:01

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

『罪なんて――悪なんて、他人が決めていいものではないのよ』
 嘲るように――その対象が『勇者』なのか、あるいはかつての自分だったのか――
十六夜は言い放つ。
『だから何をしても罪にはならないと? それこそただの言い逃れだ』
『罪になるかどうかは私自身が決める。そして私以外の誰にも決めさせない』
「勇者」が歯ぎしりする。
『悪党の理屈だ!』
『なら聞こう。あんたは悪を定義して、何を成す?』
 その問いに対して、「勇者」は迷わなかった。
 間髪入れずに答えを返す。わかりきったことを聞くなと、言外に怒りを込めて。
『罪を犯す者を止める。止めてみせる』
 そしてその答えをも予想していた十六夜は立て続けに言葉を投げる。
『どうやって? あんたの言う罪は、あんたにとっての罪でしかない。
 それを押し付けることの是非を問うても堂々巡りだから置いておくとしても、
 あんたが悪と定義した相手は、自分が正しいと主張するでしょうね。
 自分だけの「正義の味方」を、あんたは如何なる手段でもって止めると言うの?』
『それは……』
 言葉を濁す。
 答えを持たないわけではない。そんなはずはない。
 彼はすでに具体的な行動でもって十六夜にそれを提示しているのだから。
『とっくにわかってるんでしょう? 
 物理的暴力にせよ、司法的権力にせよ、力づくで止めるしかないのよ。
 口で言って聞かない奴は、殴って言い聞かせるしかない。
 それはまったくもって正しい。そしてそれ故にあんたは間違ってる』
 十六夜は言い放つ。
 眼前の、現実を知ろうともしない御伽噺の中の勇者へと。
 そして、現実を見もせずに人を諭していたかつての僧侶(じぶん)へと。

『自覚を持って相手を傷つけ、己の利を最優先するために力で相手をねじ伏せる「正義」。
 ――それこそ、あんたが定義する「悪」そのものだ!』

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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