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持ち帰ったキャラで雑談 その二

505産まれることのできない命:2009/04/29(水) 15:39:41
ここはどこか遠い、でも技術の最先端を行く惑星での、小さな小さな物語。
とある一人の女性―外見年齢は18歳ぐらいか―が、自らの体を透明にすると、
自分の部屋を飛び出し、こことは違う遠いどこかへ向かっていた。

そしていくつかの宙域を生身のまま抜け、そして、数時間の『航行』ののち
ついた先は未開惑星―とは言っても、彼女には古戦場でもあった惑星―だった。
彼女は自らの体を可視状態にすると誰もいない、酸素もない惑星をただ一人歩き始めた。
だが彼女は酸素がないこの惑星を、生身のままで宙域を抜けた私には、
何も案ずることは無しと言わんがばかりに白いドーム状の建物へとてくてくと歩いて行く。
まるで、『我が故郷』と言わんばかりに、だ。

彼女はその建物に入ると、人造物でありながら、
人の気配を感じることができないその建物の電気をつけ、
水槽の中に入った、まだ喋ったことも、考えたことも、
自ら動いたこともない自分の姉妹たちに挨拶をした。
「…まだOS見つからないの、もう少しだからね、待っててね」
いつも彼女の恋人に毒を吐いてるその口で、彼女は動かない自分の姉妹たちに、
優しく、だけど、力強く話しかけていた。

そして彼女は、その施設を後にした。彼女の眼には、うっすらとだが、涙が浮かんでいた。
だが、彼女がもといた惑星に戻る頃には、いつもの毒舌を彼女の恋人に向かって吐いていたという。


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