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持ち帰ったキャラで雑談 その二

485無責任:2009/03/24(火) 00:27:37
テレビを見つめる彼女の姿を蒼星石はちらりと横目で見た。暗く沈んだ瞳に画面の点滅を写し、彼女は無表情にそこに座っていた。
『…男は死刑になりたくてと話しており―』
「………だったのかね、彼も」
ニュースキャスターの言葉に重ねるように、かすれた彼女の声に蒼星石はとうとうそちらに振り向いた。
先程と変わりない様に見える彼女の瞳が僅かにうるんでいる…様な気がした。
「一体いつから人間はこんなに冷たくなったんだろうね…」
どういう意味か、問い掛けようとした蒼星石の横を彼女が通り過ぎる。
その横顔に深い何かを見た気がした。

「ああ多分それはこう言ったんじゃない?」
相変わらずゴチャゴチャとした部屋の中で彼女の妹が肩をすくめる。
「その男も独りになっちゃったんだろうってね」
「…つまり?」
いまいち理解出来ない様子の蒼星石に相手は苦笑しながら、ベッドに腰掛ける。
「誰かに助けを求められず、でも、差しのべられた手に気付くことも出来ない。
…ううん、もしかすると助けを求めて、気付いてもらえなかった、って事かも」
天井を見上げながら、彼女が溜め息をつく。
「周りは励ましたつもりでも本人には責められる様にしか聞こえない事もあるからさ。
頑張れ、とか逃げるな、って思ってみれば物凄く無責任な言葉だよ。
耐えて耐えて誰かにもう頑張らなくていいって言って欲しくて…でもこれは人によるかな」
自身の手を握っては開く彼女は長く息を吐き出し、困った様に笑った。

「あいつららしいな」
服にアイロンをかける男の背中に寄りかかりながら、蒼星石は深く息を吐いた。
「まぁ、ね。でもなんであんな事言ったんだろうってさ」
男は暫し考える様に小さくうめくとアイロンを傍らに置いた。
「あいつらもその男と同じ場所に居るからだろうな」
「…?」
「つまり、だ」
男が蒼星石を抱き上げ、膝へと招く。
「あいつらも自分の中の闇に飲まれたんだろう、とな」


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