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持ち帰ったキャラで雑談 その二

476※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/03/02(月) 23:29:08

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

 相手の姿など見ずとも、踏み込む気配だけで力量は知れた。
 十六夜の「射程距離」ギリギリのところで足を止める所作。
 こちらの動きを警戒しつつも、振る舞いそれ自体が十六夜への牽制となっている。
 名が知れてから「仕事」中の乱入など終ぞされたことがなかったのだが、
どうやら相手は余程自分の腕に自信があるか、でなければ途方もない馬鹿であるらしい。
 そんなことを心の片隅で考えながら。

 ――体は、すでに振り向き様の一撃を放っていた。

 踏み込む分だけ遅くなる交差の瞬間は、相手に反応と対応の余裕を生む。
 故に、十六夜は踏み込まなかった。
 右手の「それ」を、背後へと向けて躍る四肢の遠心力に乗せて投げつける!

 音は、なかった。
『……なるほど』
 代わりに届いたのは、声だった。
『噂に違わぬ凶暴性。これが巷で騒がれる強盗の正体か』
 彼女が放ったそれ――床に転がっていたのを拾った蛍光灯は、相手の左手に握られていた。
 言うまでもない、避けもせずに受け止めたのだ。
 だが、そんなことはどうでもよかった。
 どうでもいい。まったくどうでもいい。

『――同郷か』

 憎々しげに――そして、どこか懐かしげに、十六夜はそう言った。

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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