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持ち帰ったキャラで雑談 その二

474※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/03/01(日) 00:40:49

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

 嫌われるのが怖かった。
 そんな、知能ある生き物としてはごく自然の考えが、古明地こいしの運命を決定づけた。
 さとりと同じ第三の眼を持つこいしは、しかしさとりのように人の心を読むことはできない。
 それは、こいしが己の第三の眼を閉じてしまったからだ。
 心を読む能力は他人から疎まれる。
 それを身をもって――そして姉の姿を見て理解していたこいしは、
自分の能力を封じ込めることで輪の中に混じろうとした。
 嫌われたくなかったから。
 だが、その結果として彼女を待っていたのは、知覚世界からの追放だった。
 誰も――実の姉でさえも、能動的にこいしを知覚することはできない。
 能動的とは、つまり自らの意思でという意味だ。
 こいしから話しかける分には、意思の疎通は出来る。
 だが、その逆はかなわない。

 彼女の意識は無意識へと堕ちた。
 絶対的な「無意識の領域」には、彼女以外は足を踏み入れることも出来ない。
 嫌われたくないという意識が生んだ、孤独(むいしき)という名の安息。
 だが、それを厭う心(いしき)すら、彼女にはない。

 こいしは無垢に笑う。
 何も知らないというような表情で。

 ――故に、その瞬間に十六夜が振り返った理由は。
 ――こいしの気配に気づいたからなどでは、断じてなかった。

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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