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持ち帰ったキャラで雑談 その二

470※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/02/14(土) 22:59:38

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

 風が吹く。否、風が吹き続ける。
 それは十六夜を中心にして、ごく小規模な竜巻を成している。
 その風に吹き散らされ、黒灰は一欠片さえ彼女に触れることはない。
「大体、あんた達はいつまで私の周りをつきまとうわけ?
 お燐はあすみが気に入ってるから我慢してるけど、その飼い主にまで敷居をまたぐ権利を与えた覚えはないわ」
「そうね。権利を与える権利なんて貴女にはないもの」
「私はあなたをペットにしないといけないし」
「勝手なところだけはそっくりね」
 つと、見上げる。
 そこは幾重にも連なるビル群の一角。世界中のどの樹木よりも高く、無様に聳える
無機質のジャングルは、人間の愚かさでも象るかのように闇夜の空を切り崩している。
 人の通りはない。そもそも、人が通るところではない。
 あたりは水に沈んだように静まり返っている。
 音すら飲み込む空虚な世界に、ただずむ生物が3匹。
 ――そこに混じり出した音は、ちょうど落ち葉が吹き流されるそれに似ていた。
 降り積もっていた灰が、十六夜を「目」として吹き荒れる。
「つきまとうのは自由だけど」
 ふいに――世界が、「壊れた」。
 無機質の建築群に順応した十六夜の心象世界に、
 まるで老朽化したコンクリートに走る亀裂のような、

 罅割れた笑みが、灯る。

 バキバキと音でも立てそうな程に歪んだ瞳が、
「――追いつく頃には、もう終わってるわ」
 消えた。

 十六夜の姿もろともに。

 次いで、遥か上方から鳴り響く破砕音。

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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