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持ち帰ったキャラで雑談 その二

463※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2009/02/11(水) 08:58:53

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

 あすみは特に好き嫌いなく何でも食べる子だが、それでもとりわけ好むものが2つある。
 その1つが、ハンバーグだった。
 最近体調が優れなかった十六夜は――仕方がないとは言え――、
出来あいの総菜で何とか夕食という体裁を保たせていたのだが、
「…………………………………………………………ごはん、違う」
あすみにはそれが大層不満だったようで、三日目あたりから夕飯時になると
十六夜をぺしぺし叩き何かを訴え出すようになった。
 ようやく復調した時にはすっかりへしょげてしまい、十六夜が台所に立つのに合わせて
部屋の隅にちょこんと丸まり、「いいの晩御飯がお惣菜でも私は大丈夫」とでも
言わんばかりの表情でうずくまるという有様だった。
 これがあすみなりの「甘え」であることは十六夜も理解している。
 そもそもあすみに食での好き嫌いなど存在しない。
 食べられるものなら、究極的には何でもいいはずなのだ。
 だから、あすみはレパートリーそのものに不満があったわけではない。

 ないがしろにされていると思ったのだろう。

 あすみは幼いが、だからこそ最も身近な存在からの愛情には敏感だった。

「ここが使えないとなると、割と遠くまで行かないと肉買えないんだよなぁ」
 自動ドアだったガラス戸は踏み割られた水溜りの氷のように地面に散乱し、
まだかすかに灯る蛍光灯の光が断末魔の明滅を繰り返している。
 中にはすでに灰が積もり始めているようで、わずか数日の間にここは
疑う事無き廃墟と化していた。
 それに対する感情は、やはりない。

 だが、それは向けるべき矛先が見当たらなければの話だ。

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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