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持ち帰ったキャラで雑談 その二

459トラジャをレギュラーで:2009/02/01(日) 11:26:28
遠い昔、遥か彼方の銀河系で…

大雪が降った次の日のインペリアル・パレスは積もった雪で白く輝いていた。
その雪化粧をした宮殿の一室で皇帝と皇后がミニテーブルを挟んでコーヒーを
飲んでいた。別の銀河、遥か未来を生きる友人達の見解をつまみにしながら。

「正義ねぇ…便利な言葉だ。私も愛用している」
「お前も段々、政治家になってきたんだな」

銀河内乱、ユージャン=ヴォング戦争、ルウィック解放戦争、その他諸々の
帝国への脅威に際して、彼は臣下や市民達に繰り返し正義を説いてきた。
それらは全て自分を正当化する為の飾りに過ぎなかったのだろうか。
彼の糟糠の妻も、少し哀しさを孕んだ口調で返した。

「政治やってるんだ、プロにならなきゃまともな仕事ができない。そうなると市民達の
代表たる議員達が帝室関連予算という名の私への給料を支払うことに同意しない
だろう」
「給料という言い方はどんなものだろうか」

何かをやるにはその道のプロフェッショナルでなければならず、プロには正当な対価を
受け取る権利があるという彼の考え方らしい発言である。しかし、封建社会で育ち、
王家への忠誠ということを幼少より教育されてきた彼女にはいまだに受け入れにくい
考え方である。

「父親が官僚、自分は軍人出身なのでね。まあ、リップサーヴィスに終わらせるのも
また問題だろうけれど。私は現実を見据えて行動するが、砂を噛むような暮らしは
嫌だね」
「で、お前の正義とは何だ?」

彼が正義という言葉は飾りではないということを匂わせた発言にすぐさま彼女は
飛びついた。冷めたように見られがちな皇后だが、内面を知る者は彼女の内に
熱いものが流れていることを知っている。今回もそれが働いたのだ。

「大きく言えば、帝国統治下における秩序正しい社会の維持と発展。小さく言うなら、
こうして君とコーヒー片手に話ができる毎日の維持。これを乱す愚か者はフォースと
1つになってもらう」

つまり、彼には平穏な毎日が正義なのである。統治者としてはまず及第点の答え
であろう。そして、妻たる皇后は文句無しの満点を与えていた。

「コーヒーが切れたな、まだ死にたくないから私が淹れてこよう」
「ふふ、君も淹れ方うまい方だからね、楽しみにしているよ」

コーヒーを淹れに行った皇后の表情は目尻と口元がわずかに緩んでいた。


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