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持ち帰ったキャラで雑談 その二

439闇白:2008/12/20(土) 13:06:26
※グロあり、苦手な方は閲覧ご注意※
※色々狂ってるのでそういうのがだめな方もスルー推奨※
※以上を踏まえて、自己責任でお願いします※






覚悟は出来ましたか?



ざくり、と降り積もった雪を踏みしめながら、ヤラは灰色の空を見上げた。
止む気配の無い雪が視界と彼女の痕跡を覆っていく。
ヤラは雪が好きだった。
溶けて土と混じった泥色の雪も無垢な白さを晒す雪も。
特に全てを飲み込み、容赦なく覆い被さる鋭さを持った吹雪なんて最高だった。
時間が経てば、流れ出た命の色も青ざめた肌も雪の白が全て隠匿してくれる。

握りしめた大鎌の刃は雪の白と命に濡れていた。


彼らは彼女と同じく外から来た種族だった。
手薄な辺境の惑星を蹂躙し、信仰という名の狂気を振りかざした輩だと何人かが顔をしかめて言った。
彼らが使うものは全てに命が宿る。
そう言ったのは、誰であったか。
ふとそんなことを思ったのは、彼らの前に舞い降りた時だった。
銃弾の一発に至るまで、命を宿した彼らを切り捨てる。
聖なる騎士達の探知すら通用しない彼らではあったが、そこに揺らめく命は隠しようがなかった。

どこにいようと、どんなに姿を隠そうとも。

彼女は、闇はどこまでも彼らを追いかけた。

そうして、銃弾の一発、鎧の一欠片に至る命を余すことなくそぎ落とした。


ヤラが思考の海に沈む間に刃の命は溶けた雪に流され、元の冷たい黒へと姿を変えていた。
辺りもすっかり雪に沈み、元の雪原へ戻っていた。
「・・・・・・」
改めて目の前のそれを見る。
両手両足をもがれてなお、憎しみと怒りに燃える瞳は衰えることなく、むしろ
更に暗い輝きを増しながら、彼女を睨み付けていた。
「後はあなただけね、何か遺言はあるかしら?」
息も絶え絶えに、口元から命を溢れさせながら―それでも男は呪詛を彼女へと投げつける。
「我らは、死を恐れない・・・貴様のような悪魔には、けっして」
そう言い放つ男の前に後ろ手に持っていたそれを転がす。
「・・・!!」
「強かったわ、彼女」
残酷な笑みと浮かべながら、ヤラは続ける。
「あなたと同じようにしても、目玉を抉り出してもなお、呻き声一つあげなかったもの」
もっとも、と足でそれを踏みつけながら、徐々に足に力を込める。
「最後はあなたのこと、呼んでたから興ざめだったけどね」
ぐしゃり。と雪の白が色を変える。

「化け物め・・・・!貴様だけは殺してやる・・・!」
その言葉にヤラは歓喜した。瞳だけで神の魂をも焼き焦がさん程の憎悪を持った男は
ようやく彼女と同じ場所へ堕ちた。
「ええ、今更気づいたの?」
これはきっと良い闇になる。
彼女は歪んだ笑みを浮かべたまま、鎌を振り下ろした。


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