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持ち帰ったキャラで雑談 その二

431※名前欄が空白です。匿名で投稿されます:2008/11/25(火) 21:45:48

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------

 踏みしめた震脚が鳴り響くより、速く。
 彼女は己の間合いに「敵」を捉えた。
 目はわずかだが閉じている。どれだけ己の反射神経を研ぎ澄ませたところで、
雨が目に入った時のわずかなプロセスの乱れは免れない。
 地面は舗装されたアスファルト。不調な天気の影響はほとんど受けない。
 灰雨となって積もった黒灰も、雨に流れて下水を汚していることだろう。
 故に、最速には程遠いが。
 最良と言っていい程には、加速に身体がついてきた。
 後ろからやってくる「音の壁」を感じつつ、弾き出した速度をそのままに
手指の第二関節まで折り曲げた掌底を標的目掛けて勢いよく突き出す。
 狙いは下顎。牙顎とも呼ばれる人体の急所の一つ。
 この速度で打ち抜けば、顎が外れるどころか顎関節を破壊する。
 向こう数か月は、まともな食事を口にすることもできなくなるだろう。

 彼女にしてみれば、それでも手加減している方であり。
 そして、それが災いした。

 彼女の「非人速」に比べれば、それは亀の歩みと言える速さだったが。
 結果として、標的は彼女の攻撃を受けなかった。
 かわされた、と認識した時にはすでに次の一打を見舞っている。
 ――見舞って、しまっていた。

 後悔はそれよりも遥か後方、追いついてくるには時間が不足しすぎている。

// この投稿は匿名によるものです--------------------------------


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