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持ち帰ったキャラで雑談 その二
43
:
確執編十四章:当たり前の気づき方 5/6
:2007/06/21(木) 22:24:19
……あぁ、そうか。
この時になって、馬鹿な私はようやくすべてを理解した。
道理でずっとひっかかっていたわけだ。
私は、私自身を何一つ理解してはいなかった。それを今、やっと理解できた。
同時に、自分のあまりの愚かさに目を背けたくなった。
アーチェが私と同じ?
とんでもない。アーチェは私よりもずっと純粋だった。
私は早苗さんをお母さんだと思っていたわけじゃない。
言いたかった言葉が。届かなかった言葉が――ずっと私の心の中で澱として残っていて。
お母さんの命の灯火が私の目の前で消え果た時、幼かった私はただ泣きじゃくるだけだった。
その時の記憶は真っ赤に焼けた鎖となって、無意識下で私をずっと縛り続けてきた。
どうして、あの時の私は言うことが出来なかったんだろう。
独りにしないで、と。
私を置いていかないで、と。
もちろん、言葉にしたところで何かが変わったわけじゃない。
頭がそれを理解していても、何もならない。人は理性で動く生き物じゃない。
どうして、あの時の私は最後の瞬間までお母さんに縋ることが出来なかったんだろう。
――私の根本にあったのは『後悔』だった。
私は、ずっとずっと、お母さんに謝りたかったんだ。
私は早苗さんをお母さんだと思っていたわけじゃない。
早苗さんを通して、お母さんに償いたいという自分の欲望を満たそうとしていただけだ。
私の両のまなざしは、どこにも向いていなかった。
誰も見てなどいなかった。
それでどうして、誰も私を見てくれなくなったことに文句を言えるだろう?
私から居場所を奪ったのは、他でもない、私自身だった。
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