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持ち帰ったキャラで雑談 その二

425朝靄に眠る街:2008/11/12(水) 22:46:00
朝霧をかきわけながら、彼はまだ眠る街を歩いていた。

街灯の仄かな光に伸びる影を道連れに、あてもなく道を進む。

早起きな烏達の声とようやく帰路につく車を横目に、彼は傍らの林の中へ足を踏み入れる。

湿った土と落ち葉の匂いがするそこを注意深く進めば、見えてくるのがペンキの剥げた古びたベンチ。

夜が残る空を一度見上げ、ベンチを通りすぎ、林の奥へ歩き出す。

かつては道だったそこを進むと、不意に林の向こうに階段が姿を見せる。

人に忘れられて久しい、苔と枯草に覆われた石段に足をかけ、頂上を目指す。

ようやく頂上についた頃には、東の空がほんのりと紅色へ染まっていた。

息をついて、階段の一番上に腰掛け、その時を待つ。

やがて、山の間から太陽が顔を覗かせ、霧に包まれた街を一息に染め上げる。

燃える様な橙の光を放つ街と西へと逃げていく紺の空。

とびきり素敵な光景だと、彼をここへ導いた少女は笑って言っていた。

夜から朝に新しく生まれ変わる世界はゾッとするほど綺麗だと、神様は嬉しそうに言っていた。


太陽の光は、暖かく彼の体を包み込み、空へと駆け上がっていった。


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