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持ち帰ったキャラで雑談 その二

423どこにもいる、どこにもいない:2008/11/09(日) 21:04:43
突きつけられた言葉に彼女たちはしばし口を閉ざした。
「冗談…ではなさそうね」
家長の役割に就いた女の瞳に影が落ちる。
他の者も同様に視線を床に落とし、誰一人として話す者は居なかった。
「…現実の科学から身を守るためには、こことの交わりを絶つ」
誰かの台詞に壁際の女が頭を壁に打ち付ける。
傍らの男がそれを止める。女は自身にあらん限りの呪詛を向け続ける。
「関わりを持った者の記憶は」
家長の女が妖怪に問いかける。
「忘却の境界をいじって、彼女たちの中から貴方達に関する記憶は消させてもらうわ」

そうか、とだけ彼女は答えると壁際の女へ視線を移す。
「…悪いが、あれのも消してはもらえないかしら?」
妖怪の瞳が一瞬揺らぎ―首を横に振った。

「彼女には悪いけど、それは出来ないわ」

「…二度とあの地に来ないようにか」

妖怪が頷く。



キーを打つ指が止まる。
はて次はどうするべきか。
愚かな女にいかなる罰を下そうか。人を殺し、幻想を殺し、自身すら殺した女にふさわしい罰はなんだろうか。
女の代わりとして生まれた自身に下せる、最もふさわしい罰は。

……なんだ、簡単じゃないか。

女の姿をした何かはそう言って、立っていた椅子を蹴り飛ばした。


ぎしり、と縄の軋む音が聞こえた気がした。



自殺する夢を見た。
縁起が良いと知ってはいても、目覚めは最悪で彼女は掛け布団の中に顔を埋めた。
朝を告げる目覚ましにいつまでもそうしている訳にもいかず、緩慢な動きで布団から這い出る。
枕元の鏡と目が合う。

鏡は、暗い目をして笑っていた。


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