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持ち帰ったキャラで雑談 その二

421因果応報:2008/11/09(日) 18:28:09
とある島国にわずかに知られている伝説がある。そこは閉鎖された空間で、魑魅魍魎と人間が不安定な
和平の内に共に暮らしている、と。理想郷のように見えなくもないが、どんな所にも悪党は居るものである。
そしてその悪党が今、人を殺めることによって不正に得た物品を囲みながら酒盛りをしていた。先程まで。

「全員拘束しました」
「御苦労、上級曹長」

骸骨のようなフルフェイスのヘルメットを被り、黒い戦闘服にグレーのプロテクターを装着した者が一つ目の
これまたフルフェイスのヘルメットを被り、グレーのボディ・グローブと白いアーマーを着けた者に敬礼しなが
ら報告する。体型は人間の女性をしているが、機械文明に縁遠いこの地の人間達にはコンバイン・フォース
の彼女らを人間と認識することは困難だった。

彼女らは薄汚い大男達を囚人護送用のカプセルに納めると、それらを生体工学の産物の輸送機に載せて、
来た時と同じように無理やり開けたポータルと呼ばれる次元の裂け目を通り、東欧のCity17という、コンバイ
ンの首都へと飛び去った。後には盗品と、宴の後が残されただけである。

彼らが次に目を覚ましたのは、薄暗く、冷たい金属の床の上だった。辺りを見回すと、何かの紋章の描かれ
た垂れ旗が壁にいくつも下がり、その下にはあの白い一つ目の兵士達、そして奥には数段高くなっていると
ころがあり、そこには玉座が据えられ、そこから何者かが彼らを見下ろしていた。

「幻想郷のならず者諸君、ようこそCity17へ―――いや、『外の世界』と言った方が諸君には理解しやすいか
な?もっとも、君らの同意を積極的に欲しいとは考えていないが」

状況が今一つ掴めないのと、玉座に座る男の傲慢な態度に苛立つ彼らだが、拘束されていて抗うことができ
ない。彼らは芋虫のように体をくねらせるだけだった。

「まあ落ち着いてくれたまえよ、これから諸君の悪事に関する簡単な裁判を行うのだから。ちなみに本法廷で
は弁護士を呼ぶ権利と、証人及び証拠物件並びに陪審員の必要を認めていない。また、この裁判の進行一
切と前述の行為を私が行使するにあたっては、銀河帝国憲法第一条の銀河皇帝の権利に由来するものであ
る」

訳の分からない事を矢継早に捲くし立てる男に呆然とするばかりだったが、この男が相当理不尽なことを言っ
ているのは理解できた。それにまた腹を立てるが、日頃愛用の山刀も見当たらない。

「ま、時間の無駄だし、審理も省こう。強盗殺人を数多繰り返した罪は重い。主文、被告人全員を死刑に処す。
処刑は即時行われるものとする」

他人の命など虫の羽ほどにも気に留めない彼らだが、自分の命は地球よりも重い。それが簡単に奪われよう
としているのである。まさか自分達が殺される側に回るなど、夢にも思わなかったのだ。情けないことに、声に
ならぬ声で泣きながら許しを請おうとする者も居た。それを冷笑しながら、玉座の男は彼らに囁く。


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