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持ち帰ったキャラで雑談 その二

420銃声:2008/11/09(日) 13:02:46
銃声が木霊する。
どこまでも、どこまでも。
ここはとある射撃場。山の中にある人の手によって作られた射撃場。
木の緑で覆われた山には全く似合わない白い壁の、白い外見をした射撃場。
そこからうるさく銃声が響く。
その銃声が響くたびに、鳥たちは慌てふためき逃げていく。
中では何が行われているのだろうか。
その建物にかかってる小さな看板には、「スパローズ」と英語で書かれていた。
そう、ここは正規軍情報部特殊部隊スパローズの専用訓練場。
今日は3人の女性たちがそこにいるのみだった。
一人は何もためらうことなく撃ち続け、
一人は何かを考えながら、ぼーっとしながら撃ち続け、
そしてもう一人は、「何か」にためらいながら、
重い引き金を撃っていた。
「何かあったの?引き金が重いようだけど」
赤い髪の、ツインテールの特徴的な髪形をした女性が話しかける。
「…私、軍人で本当によかったのかな、って…」
それをイタリア産まれの茶髪のポニーテールの女性が受け答えする。
とてもイタリア系とは思えない、日本人らしい顔の女性―、
彼女の名は、フィオリーナ・ジェルミ。
一人娘のため家を継ぐことになり、
そして家を継いだことにより、彼女は初めての女性軍人となった。
もちろん、ジェルミ家としての、だ。
その彼女が軍人になろうとしたとき、彼女は日本の大学に留学生として来ていた。
その時、彼女はこう言われた。
「人殺しの軍人になるつもり?」
その時は吹っ切れたが、今も彼女の心に深く残っている。
その迷いは時々であるが、今のように心の中から自然に現れる。
「本当にこの職業を選んでよかったのか?」
今でも彼女はこのことで葛藤する。
そこに緑のバンダナを巻いた金髪の女性、エリがフィオに話しかける。
「ねえ、またあのことで悩んでるの?もういいじゃない
  いつまでくよくよしてたって始まらないさ、そうだろ?」
その言葉にフィオは何もない、いや、
薬莢が転がっている床へ顔をうつむかせた。
「フィオ、今のあんたは逃げてるだけだよ
  いいじゃないか、軍人が人殺しって言われても
  だってそうなんだから、否定のしようがないだろう?
  くよくよするな、おまえはおまえだ」
「私は…私?そ、そうですよね…ありがとうございますw
  吹っ切れることができました 私は…そのとおり、軍人です!」
その瞬間、すべて吹っ切れたフィオは、銃を連射し始めた。
人型の的の頭の部分の中心に弾丸が当たり、そして貫通する。
そのあとを続くように弾丸がずれることもなく、その穴をくぐり抜けていく。
「これが、私の答えです!」
そしてまた、さらに銃声が山中に木霊する。
この木霊は、しばらくは途切れそうにない。


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