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持ち帰ったキャラで雑談 その二

42確執編十四章:当たり前の気づき方    4/6:2007/06/21(木) 22:23:28
「眠れないんですか?」
 夜の闇にその身を預けて、どのくらい経った頃だろう。
「……早苗さん」
 とっくに暗闇に慣れた双眸が彼女の姿を視界に収める。
 その顔はどこか悲しげで、見ているだけの私でさえ胸が締め付けられるようだった。
「……すみません」
 そう囁いたのは、早苗さんの方だった。
「なんで…謝るんですか?」

「あなたをそこまで苦しめている原因が、私にあるからです」

 ナイフより遥かに鋭利な何かが私の胸に突き刺さる。
 もちろん、あの日のことを私から早苗さんに話したことは一度もない。
 知っていたからって不思議なわけじゃないけど。
 ――知られたくは、なかった。 
「やだ…謝らないで、くだ、さい」
「リディアさんとアーチェさんはあんなに仲がよかったのに。
 私が現れたりしたから、お二人はケンカしてしまったんですよね?」
「やめて……やだ……」
 嗚咽が絡みつき、息が出来ない。
 早苗さんにまで拒絶されてしまったら、私はどこへいけばいいんだろう。
 あまりに理不尽なことに、この時の私は早苗さんを憎みさえした。
 何故、自分を突き放そうとするのかと。
 無二の友達だったアーチェを否定しても、なおあなたを選んだのに。
「私を……置いていかないで……!」
 誰もいなくなる。独りになる。
 あの、炎に包まれた故郷の中で取り残された時のように。
 孤独は、辛い。
 アーチェも、アスミも、早苗さんまでもが私から離れていこうとする。
 私は、何を間違えたの?
 ただ、もう独りになりたくなかった。それだけなのに。

 ――私の居場所は、いったい、どこに……

「私を独りにしないで、『お母さん』!!!」


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