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持ち帰ったキャラで雑談 その二

406現代百鬼夜行:2008/10/19(日) 19:40:55
とあるときのこと、イタリアからの留学生、
フィオことフィオリーナ・ジェルミは仕事で榛名山を
ワーゲンスラッグに乗り走っていた。
するといつの間にか日も暮れて、彼女は宿を探すことにした。
しかし山奥にあったのは大きなお寺だけ。
しかも不気味で古ぼけていて誰もいないときた。
しかし外にはぱらぱらと小雨が降りはじめ、
雨に打たれながらの野宿よりはましだと思い、
今までのってきたワーゲンスラッグを隠すように置き、
その寺の中に小走りで入っていった。
明日に備え寝ることにしたフィオは、
夜中に珍しく何も用事がないのに目が覚めた。
すると人の声が外からたくさん聞こえてきた。
こんな古ぼけたお寺に、しかもこんな時間に誰が来たのだろうと覗くと、
そこには松明に火をともし、百人ほどが集まっていた。
その人々の頭には角が確認できた。「鬼」である。
フィオはそれを見て隠れるようにして
不動明王が祀られている部屋へ急いで逃げた。
しかしフィオのその行動とは裏腹に、鬼たちはその部屋へと集まってきた。
そしてフィオと鬼たちはばったりと会ってしまったのだ。
鬼たちが目の前に現れた渡来人を見て何を思ったかは知らないが、
フィオは目の前に現れた鬼を見て身の毛もよだつ思いをしたのは確かである。
とっさにフィオは逃げる。それを追う鬼。
そして大きな寺の中での「鬼ごっこ」が数分の間続き、
フィオは不動明王像の後ろに隠れた。
すると鬼たちはそれを見てこういった。
「この方はもしかしたら不動明王の奥方やも知れぬ
  渡来人を嫁にした理由はわからぬが、不動明王を敵にまわしたら
  今この山に残っている鬼たちも駆逐されてしまう」とて、
フィオを襲うのをやめ、鬼たちは会議に入った。
そしてそれから何時間経ったのだろうか、朝日が出てくると共に
鬼たちは重い腰をあげ、ぞろぞろと山の中へと帰って行った。
しかしフィオはその帰りを見届けながら、
不動明王の像の後ろでまた深い眠りに入ってしまった。
気がつくとフィオは自身が用意した寝袋にくるまって、
起きる前と同じように寝ていたという。
朝、フィオを乗せたワーゲンスラッグが榛名山を出発した。
それを多くの鬼が見守っていたことはフィオは知らなかった。
そして、フィオがこのことを夢の中の出来事としたため、
このことが伝わることは二度となかったそうな…。


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