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持ち帰ったキャラで雑談 その二

404楽園:2008/10/17(金) 18:21:15
熱が入った男の声に紫は何事かと足を止めた。
周りの人々も同じ様に足を止めては、くだらないと再び歩き出している。
男は妖怪の根絶をうたっていた。人間だけの、平和な世界を作る。取り巻きだろうか、周りの若い男達も一緒になって叫ぶ。
馬鹿らしい。目を細めながら、紫は口の中で呟いた。
人間が世界の支配者となった外の世界の現状を知らないが故にそう言えるんだ。
そんな事を口の中でぶつぶつと呟き―ほんの気まぐれに手を振るった。
そんなに人間だけの世界がいいなら、見てこいと、嫉妬にも似た気持ちを抱きながら―


「人間が何人か外に逃げたわ」
八雲紫の一言に紫は持ち上げかけた湯呑をちゃぶ台に置いた。
「やっぱり怒ってる?」
否定とも肯定とも取れる笑みに紫は怒られた子供の様にうなだれ、ぽつりと呟いた。
「…ごめんなさい」


行方知れずになっていた男達が見付かったのはそれからすぐ後だった。
魂が抜けたような、酷い状態だったとは様子を見に行った早苗の話。
「ああなるなんでどこに送り込んだのかしら?」
茶化す様な妖怪の言葉に人間は生気の抜けた瞳を空に向け、ただ「外で一番馬鹿な人間のいる所」とだけこたえた。


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