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持ち帰ったキャラで雑談 その二

40確執編十四章:当たり前の気づき方    2/6:2007/06/21(木) 22:20:12
「もう、風子ったら……」
 何度か入念に洗って、ドリルは何とか解除出来た。
 ――ここまで言えばわかるだろうけれど。
 私は今、早苗さん達と一緒にお風呂に入っている。
 入る直前まで秋生さんが「一人にするな」とかなり駄々をこねていたけど、
早苗さんがにこやかな笑顔で黙らせた。
「これでもけっこう大事にしてるんだからね」
 湯船につからないよう結ってあげた髪を大事に撫でる。
 一方の風子はさも不服だと言うように、
「風子は悪くありません。あなたの髪が翠なのがいけないんです。風子の創作意欲を駆り立てます」
 にっこりと笑って背中から風子に抱きつく。
 家ではアスミとよく一緒に入る。私が体を洗っていると、必ずと言っていいほどこうやって抱きついてく

ることを思い出す。
 バタバタと暴れる彼女を力づくで羽交い絞め。
 しばらくするとおとなしくなったので、
「ちっちゃいねー風子」
 頭を撫でる。風子が心外そうに声を上げた。
「とても失礼ですっ。風子はまだ成長中なんです。これから竹のように伸びます」
 竹より高い風子はかなり怖い。
「そういうあなただってとても小さいです」
 無邪気な言葉が胸に――そう、胸に――突き刺さった。
「私は…いや、それはそうかもしれないけど……でもアーチェよりは……」
 思考処理が空転し始めたので、私は即座に考えることをやめた。
 その類の懊悩はアスミと一緒に入る度によぎるので慣れたしまったのかもしれない。
 ちらりと、早苗さんの方を見る。

 何だか少しだけ――主に心があるといわれる場所が――痛かった。


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