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持ち帰ったキャラで雑談 その二

394豪雨2・下:2008/09/07(日) 23:07:20
 テレビのモニターでは今まさに珍獣が塔の上から飛び降りようとしている。
 何やら喚いては笑いを誘っている。
 半ば押し出されるようにその体躯が重力の束縛から解放さr
「あ」
 手動でチャンネルを変えられた。
 そう。別にリモコンでなくても、チャンネルは変えられる。
 ただそれだけのことだったし、それ以上のことでもない。
 大したことではないのだ。少なくとも、戦局を変えたわけではない。
 そう、またリモコンを使って変えればいいのだか「サンダー」。

 天空を轟かせる閃光に比べれば、それは穏やかとさえ言えるものだったが。
 リモコンを破壊するくらいの威力は、有していた。

「……やってくれんじゃない」
 勝ち負けなど、しょせんはコインの裏表に過ぎない。
 些細なことで――ひっくり返る。
「普段あたしのライトニングに文句を言う人のすることじゃないわよねぇ?」
「文句を言っても反省する気のない人に言われたくはないかな」
「反省はしてるのよ。反映させる気がないだけで」
「ふーん。でも結果の伴わない反省なら……ね?」
 あえて最期をぼかすことで、その言葉が意味するところをほのめかす。
『ビシィッ!』という効果音さえ聞こえてきそうな勢いで、アーチェの額に青筋が浮かぶ。
「あたしが、日光の軍団並だとでも?」
「ううん、日光の軍団よりきれいだと思うよ」
 にこりと。
「――かわいくはないけど」
 無邪気に、無慈悲に、無感動に嗤う。 
「……サルより太い足の娘に言われたくはないわね」
 こちらは『バキンッ!』とでも聞こえてきそうな驚愕だった。
「……なん、ですって?」
「いっつも傍にいるからアスミに感化されてるんじゃない?
 ――天高く リディアが肥ゆる なんとやら」
 革新的に、確信的に、核心的に哂う。
「……大草原体形に言われたくはないかな」
「その言葉、そっっっくりそのままお返ししてさしあげましてよ?」
 あるいはこの場に霊夢か慧音でもいれば、最悪の結末は防げたかもしれない。
 それはつまり、そんな仮定を望みたくなるような結末を迎えるということだが。

「出でよ、神の雷」
「雷杖よ――意思通ずるなら、応えて」

 天から降り注ぐ雷柱にも劣らぬ、地から『立ち上る』2本の雷槍も、
しばらくの後に天気が切り替わるようにどこかへ遠ざかっていった。

 残されたのはアスミ一人。
 インスタントラーメンをバリバリとかじりながら(作るのが面倒なのか、
作り方がわからないのかは不明。どちらにせよ同じことだが)、くしくしと目を擦る。
「おなかすいたー、たくさん食べるー、眠いー、どうするー?」
 自問自答しながら、かわいらしく頭を傾げる。
 ただでさえ回転を拒絶する思考は、眠気のせいでさらにその動きが鈍っていた。

 お姫様は、かくんかくんと船を漕ぎながら、誰も作ってくれないインスタントをかじり続ける。


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