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持ち帰ったキャラで雑談 その二

393豪雨2・中:2008/09/07(日) 23:03:50
「ちょっと! 今アスミがどうぶつ○想天外見てたでしょ!」
 アスミのお腹辺りに手をまわして、背後から抱きかかえるように座っていた
リディアが、彼女のあまりの落胆ぶりに思わず声を上げた。
 一方、風呂あがりなのか濡れた髪をふいているアーチェは、
「いい? リディア」
 と、やけに真剣めいた声を出す。
「……な、何?」
 萎縮してしまうのは、アーチェの日頃の振る舞いの賜物だ。
 普段バk、もといおちゃらけた印象の人物が突然真面目な雰囲気を醸し出したりすると、
何故か意味もなく怯んでしまう。
 その隙をアーチェは見逃さずに――畳みかけた。
「今日は――○モトが飛び降りるのよ」
「意味がわからない!」
 それは、リディアをして0.1secでツッコミを飛ばすほどのレベルだった。
 勝者と敗者。勝ちと負け。0と1。得た者と失った者。
 それらがすべて、決まるほどに。
「リモコンを持つ者が常に世界を制するのよ」
「大きい! 回収する見込みのまったくない伏線を張りまくった大長編作品並にスケールが大きいよ!」
「あたしは器が大きいから」
「関係ない上に正しくもないし!」
 適当なことを言ってあしらってはいるが、アーチェの視線はとっくにテレビに向かっている。
 もはや何を言っても届かない。
 しょせんは、敗者の言葉だった。
 ――リモコンを手元に置いておかなかった。
 そんなごく些細な、ごく卑近な、ごく矮小なミスが、こんな敗北をもたらすとは――!

 曇天を埋め尽くす白光がきらめき。
 しかしリディアの目に、怯えの色はなかった。


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