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持ち帰ったキャラで雑談 その二

39確執編十四章:当たり前の気づき方    1/6:2007/06/21(木) 22:18:46

 ・二日目 PM7:00 サイド:リディア

 薄い膜の中に包まれているみたいだった。
 膜のすぐ向こう側に『私』がいる。
 それは私の知っている『私』。
 10人に問えば全員が自分だと答えるだろう、リディアという一人の人間。
 そして、それを見つめる『私』ではない私――

「リディアさん」
「…は、はいっ?」
 我に返る。最近物思いにふけることが多いな、と思いつつ。
「髪の毛…大丈夫ですか?」
 早苗さんが何を言っているのか、私には本気で理解できなかった。
 その言葉に誘われるように自分の翠色の髪に手を伸ばす。
 ――ない。
 普段なら腰を下ろしただけで床につくほどの長髪が、しかしそこにない。
 しばらく思考が止まった後、恐る恐る手を伸ばす。
 それは世界を破滅させるスイッチを前にした逡巡に似ていたかもしれない。
 押すことは出来ない。けど――だから、押したい。
 考えるうちに、私の手は自分の髪に触れた。

 ドリルにされていた。

「…………………………ねぇ、風子」
 返事がない。
「風子ちゃん?」
「…風子は今温泉ヒトデと戯れているところです。なので返事は出来ません」
 今度は返ってきた。相変わらず彼女の中で270度くらい捻じ曲げられて、だけれど。
「おいでー」
 手を振ってみる。風子の体がわずかに震えた、気がした。
「ふ、風子は何もしていません、無実の犯人です」
「犯人なら無実ってことはないと思うんだ」
「あなたのドリルはとても良く似合っています。グレートです」
「じゃあ風子もグレートにしてあげるよ」
「風子は、ヒトデがいるから遠慮しておきます」
「まぁまぁ。遠慮しない、で!」
「わ―――――っ!」

 ちなみに。
 さっきの鬼ごっこの時と同様、3秒で捕獲に成功した。


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