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持ち帰ったキャラで雑談 その二

387緋色を背に、魔は嗤う:2008/08/31(日) 21:46:03
人々の奏でるオーケストラが彼女の周りでそれぞれの音をあげる。
自らに敵う者など、この世界にいない。
そう信じて疑わなかった者の奏でる音楽はなんと甘美なことか!
揺らめく炎に髪をなびかせながら、通りを進んでいく。
それが罪である、と自身が警告を発する。だが、今となってはそれらに自分を止める力は無きに等しい。

ここは戦場。居るのは、敵という名の他人。

生きて明日を迎えるか、死して幕となるか。

ここには正義も悪もない。あるのは破壊と殺戮。
「さあ」
生き残った“敵”へ微笑む。最も彼らには死をもたらす狂った笑みでしかない。
「音楽会を続けようか」
遙か遠くに忘れてきた暴威の前に彼らは震えるしかなかった。

幕が下りる。

地面に転がった肉に何の疑問を持たずに手を合わせる。
「終わったかしら?」
目の前に降り立った少女にため息をつく。
「死体に乗るなっての」
その言葉に彼女は驚いたように目を丸くし、からかうように口を歪めた。
「おかしな人、あなたが殺したんじゃない」
思わず肩をすくめる。
「習慣よ、日本人としてのね」
いよいよ少女は声をあげて笑い出す。
「滑稽だわ!破壊と殺戮を好みながら、まだ魔に染まりきっていないとは!」
「二面性に富んでいると言ってほしい」
腹を抱えて笑う少女に通りの向こう側を示す。
駆けつけたのであろう、新たな敵の姿がそこにあった。
「あきないわね」
「そうね」
哀れな生け贄を見つめながら、二人の魔は嗤う。


夜明けはまだ遠い


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