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持ち帰ったキャラで雑談 その二

380デリコート将軍の乱:2008/08/16(土) 12:14:18
草木も眠る丑三つ時、と古来より言うが忙しい銀河の支配者も眠る時間である。平時ならば。
ニモイディアンのデザイナーに設計させた優美な装飾と、人体工学によって寝心地を極限まで
追求したベッドはまさに一握りの者の為に用意されたものだ。しかし、取り巻く環境は往々にし
てそれを相殺してしまう。枕元のインターコムが突然鳴り響いた。両脇に一糸纏わぬ姿で寝て
いる王族と貴族出身の寵妃をよそに、長年の習慣ではたと目を覚ます皇帝。

「ピエットだ」

残る眠気のせいで幾分不機嫌な調子で応答するが、返ってきた声は切迫していた。もっとも、
切迫した用件以外で夜中に皇帝を叩き起こした者が朝日を拝むことはできないが。

「反乱です、我が皇帝!」
「なんだと…?そんなことで…」

広大な帝国領には反抗的な惑星や野心的な総督や将軍、提督の支配する星系もある。その
為、反乱はいつ起きてもおかしくは無いが、普通は隣の星系の軍、大規模なものなら宙域・宙
界総督が鎮圧し、その後に報告をすればよい。インペリアル=センターにこのような粗忽者が
配属されるとは世も末と思ったが、話し手がすぐに変わった。

「エーシェン将軍です陛下」
「将軍、君が何用だ。まさか反乱がここで起きたなんてことではあるまい」
「そのまさかです、陛下!」

タール=エージェン将軍はインペリアル・パレス内外の防衛を任されている、いわば近衛将軍
である。その彼が直々に反乱の報告などおかしいと思ったが、ここで起こったのなら話は別だ。
当然、彼の管轄内である。

「…そんなまさか。誰なんだ…誰が首謀者だ」
「デリコート将軍です!」

呻く皇帝。だが、疑問は無かった。エヴァー=デリコート将軍は前情報部長官イセイン=アイサ
ード派の、もっと言えばパルパティーン派の将軍だ。クレンネル大提督の反乱に続き、寛大な
彼の心はまたしても踏みにじられたのである。

「今の状況はどうなっている?」
「4つの城門で押しとどめておりますが、援軍が無ければ危険です。正門は大将軍皇后陛下が
自らソヴェリン・プロテクターの一団を率いて防戦しておられます」
「な、何ィ〜!?何故止めなかった!」

ソヴェリン・プロテクターはロイヤル・ガードの中から更に慎重に選抜され、ダークサイドの加護
を付与された恐るべき戦士達である。ロイヤル・ガードが100人力ならば、彼らは一騎当千という
言葉が適当であろう。彼らが付いているとはいえ、愛妻を死地に送ったことを彼は咎めた。

「いえ、反乱の第一報を受けるや戦装束でお出ましになり、そのまま往かれましたので…」
「なんたることだ…いや、最早将軍、君を咎めまい。今すぐ司令室に向かう、君と作戦スタッフを
召集するんだ」
「仰せのままに、我が皇帝」

ベッドから身を起こすと、流石に相次ぐ大声で目を覚ましていた2人が身支度を手伝い、大元帥
の制服を身に着け、クララはそのままロイヤル・ガードとして司令室に同伴していった。後に残さ
れたティータは窓の外の戦闘によってか、反乱軍の蛮行によってか、火災の起こるインペリアル
シティの市外を虚ろな瞳で眺めていた。


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