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持ち帰ったキャラで雑談 その二

37確執編十三章:落日の語り草      6/7:2007/06/09(土) 21:37:39
 しん、と痛いほどの静寂に包まれる。
 それを心地よいと思う自分の感覚は、どこかおかしいのだろうかと思いつつ。
「……何で?」
「だから、理解の無理解ですよ」
「言葉遊びはいいって」
「……これだけが取り柄なのに」
「後ろ向きな発言もいいから」
 再び咳払い。
「……あの二人、あれで今まで本気で喧嘩したこと、一度もなかったんですよ」
 少なくとも自分は知らない、と言葉を付け足す。
「あれ? 一年以上前にそれっぽいことなかったっけ?」
 そんなこともあった、と懐かしげにうなずく。
「あの時はひとつの国が消えました……」
「あんたの妄想王国だった気が」
「クリティカルなこと言わないで下さい。傷つきます。
 で、あれは喧嘩じゃありません。アーチェはともかく、リディア様は腹を立ててはいませんでしたし」
 そもそも、と、
「リディア様が本気で怒ること自体、極めてレアなんです。
 俺も今回の一件を除けば、初夏の浮気騒……」
 言いかけて、やめる。小さくかぶりを振って、
「という背景から、あの二人が本気で衝突したのは今回が初めてだと言えるでしょう」
「初めてだから『魔法』を使おうとしたの?」
「正確には違います。あなたも二人のやりとりは耳にしてたんですよね?」
「そりゃ、あれだけ大声でケンカしてたら嫌でも耳に届くよ。
 聞かなかったのは、その場にいなかったあんたと古河家くらいだったんじゃない?」
「そこに早苗さんがいてくれたら、ここまでこじれることはなかったんでしょうけど」
「……あんたでも、よかったと思うけど」
「そう思いますか?」
 無視された。
「俺もリヴァルから聞いたので概ね把握してますが……
 二人は、どちらも自分自身が理由でキレたんです。だからあれだけ激しく沸騰した」
「説明する気なら、最初からわかりやすく言ってよ」

「つまりですね。二人は『相手に不満があったから』腹を立てたんじゃない。
 ――自分に許せない部分があったから。そこを相手に突かれて狼狽したんですよ」


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