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持ち帰ったキャラで雑談 その二
368
:
石と河童の川流れ
:2008/07/26(土) 23:33:01
「持って帰ったら、駄目だよ?」
少女の声にフヨウは眩しそうに目を細めながら、顔をあげた。
「ケロちゃんだ」
岩の上に腰掛けた、ケロちゃんこと洩矢諏訪子は足をぶらつかけながら、笑う。
「川の石にはね、霊が憑きやすいの」
「霊」
おうむの様に単語を繰り返しながら、今しがた拾った石ころを太陽に透かす。
見た目は拳大の石英だ。それが太陽に透かされて、フヨウの顔を照らす。
「霊」
もう一度、単語を口にし、彼女は手の中に収まる石をじぃっと見つめた。
諏訪子は川の石には霊が憑きやすいと言った。ならばこの石にも何かの霊がいるのだろうか。
もしそうならばそれはさぞ澄んだ霊だろう。
…と、難しく考えてみたものの、彼女が出来るのは一つだけだった。
「かわへおかえり〜」
この間見た野球選手―イチローだかイジローだか言う選手の真似をするように石を投げ―
ドポンッ!
ガツンッ!
「みぎゃっ!!」
運悪く泳いでいたのだろう河童の頭に石は見事に当たり、哀れな河童はぷかりと水面に浮かび上がった。
「……………」
「………」
ぷかぷかと流されていく河童を二人はしばし見送るのだった。
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