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持ち帰ったキャラで雑談 その二
361
:
凍夏・下
:2008/07/17(木) 23:28:11
「……バカじゃないの?」
蔑みだった。
「いい年こいて自虐発言してる暇があったら、とっとと死ねばいいじゃない」
「死ねるならとっくにそうしてるわ」
嘲笑。それは無知への嘲りと同時に、己への自嘲も含んでいた。
「私は死ねない。そういう風に出来てるんだもの」
「試したことがあるの?」
対する言葉は、斬りつけるように凍えていた。
「土に埋まって呼吸が止まるのを試した経験は?
火山に飛び込んで文字通り灰になるまで焼かれた経験は?
バナナで釘が打てる氷点下の世界なら、脳まで凍りついて擬似的に死ねるんじゃない?」
さしもの妹紅も、その辛辣極まる畳みかけには絶句した。
「しょせん中途半端なのよ。あんたの覚悟は」
はっ、とする。
霊夢の瞳は、生の地獄を垣間見た妹紅さえ我に返すほど生気に満ちていた。
「人になりたい? 人間って、そんな半端な気持ちでやっていけるほど甘く見える?
死にたい? 人間って、死ぬ特権を与えられた素敵な生き物とでも見えてるの?
――死ねない苦しみが私達人間にはわからないように。
死を宿命づけられた『人間』を、蓬莱人のあんたは本当に理解出来てるのかしら」
「……私は、人間ではないと言いたいの?」
「バカなことを聞かないで。最初にあんたを人外扱いしたのは誰?」
――『お願いだから、人であることを捨てないでくれ、妹紅……』
妹紅は、何も言い返せなかった。
「ないものねだりも大概にしなさいよ、蓬莱人。
あんたがやってるのは、『私の不幸は誰にも理解出来ない』と勝手に拗ねて、
世の中をひねくれて見てるそこらのガキとまったくおんなじ」
霊夢はゆっくりと袖に手を入れた。
「人間だろうが妖怪だろうが――蓬莱人だろうが。
今、ここにいることに何の違いもない」
取り出した手には、一枚のスペルカード。
「前を向くか。俯き続けるか――まずはそこから決めることね」
――神霊「夢想封印」
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