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持ち帰ったキャラで雑談 その二

36確執編十三章:落日の語り草      5/7:2007/06/09(土) 21:36:41
「どんなに仲のいい相手とでも喧嘩にはなります。
 プリシスだってそういう経験、あるでしょう?」
「そりゃ、あるけど」
「本当の意味で人は人を理解することなんて出来ないんです。理解した気になるだけで。
 その理解に齟齬が生じた時、つまり己の理解が無理解であるのを悟った時、相手と喧嘩になる」
「そんなのわかってるってば」
 暗闇の中、気配で相手がこちらに寄ってきたことを知る。
 アスミを起こさぬよう押し殺した声で、
「だから、あんたは何をしようとしてるの?」
「聞きたいですか?」
「別に」
「すいません語らせてください」
「弱いなー」
 小さくひとつ、咳払い。
「喧嘩自体は問題じゃない。問題なのは、彼女達が理解の無理解を受け止めきれなかったことです」
「……何それ?」
 いいですか、と告げた後、
「人はしばしば容れ物という意味で『器』に例えられます。
 長い時間をかけて己という器に経験や想い出を入れていくわけです」
「それで?」
「彼女達はね、力量を容れるための器が大きすぎるんです」
 視線を上に向ける。
 無論、そこにあるのは暗闇の中わずかに映る天井だけだ。
 小さく溜息を一つ。
「あまりに強すぎる力を持つが故に、一つ間違えると簡単に大惨事を引き起こす」
「それは確かにそうだけど…そんなの、言われるまでもなく二人だって理解してるんじゃない?」
 その通り、とうなずく。
「彼女達にしてみれば生まれた頃から付き合ってきた力です。
 外野の俺なんかより、その危険性は遥かに理解してるでしょう。
 故に、どれだけ腹が立っても『魔法』を喧嘩の道具に使ったりはしない」
「あっ……!」
 そこでプリシスは気づいたようだ。

「――そう。にも関わらず、あの時の二人は喧嘩に『魔法』を使おうとした」


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