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持ち帰ったキャラで雑談 その二

359マイナス思考のチキンハート:2008/07/17(木) 23:05:02
夜。
彼女はタオルケットを頭から被り、微かに震えていた。
朝よりも、昼よりも、恐ろしい時間。胸の底に沈んでいた物がじわりと体を犯していく時間。
怖い。何を、と明確に判る訳ではないがただ怖い。それだけだった。
「――!?」
何かが肩に触れ、彼女は反射的にタオルケットを被ったまま体を硬くした。

「そんなに怖がらなくてもいいじゃない」

おそるおそる顔を出せば、酒臭い空気が鼻をつく。
「萃、香…?」
床に座り込んで酒をあおる鬼が不安そうにする人間をじぃっと見つめる。
「やれやれ、あの白いのが居ないと思ってきたら、だーいぶ弱ってるみたいじゃないか」
鬼の言葉に人間が枕に顔を埋める。
明日、試験なんだ。枕に埋まったまま、人間が呟く。
ちゃんとやらなきゃいけないと思うとなんかさ。
そんな人間の言葉に鬼が溜め息をつく。
「なんでそこまでちゃんとやろうとすんの?
いいじゃない、出来なくなって」
だって…ずっとそう言われてきたから。と人間。
鬼は鼻の頭を少しかくと、言葉を選びながら話す。
「そりゃまあ親の言うことも守らなきゃ駄目だけど、あんたの場合はただの枷になってない?
もうそろそろ、『自分』で生きてもいいと思うよ?」
人間は答えない。
ただ鼻をすする音が聞え始めた頃、鬼は人間が落ち着くまで側に居てやろうと思うのだった。


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