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持ち帰ったキャラで雑談 その二

358惜別:2008/07/13(日) 20:52:40

 結局、アイツは自分の傲慢に耐えきれなくなった。
 そういうことなんだろう。

「おはよ、リディア」
「……おはよ、アーチェ」
 一瞬、間があったのはやっぱり意外だったからだろう。
 こうしたまともな挨拶をするのも実は久しぶりだ。
 ――立ち直るのにかかった時間は、短いようで長かった。
 事実を知らされてから数日は、部屋から出るのさえ嫌だった。
 それから数週間は、歯車のネジをどこかに落としたみたいに調子が出なかった。

 アイツの死を、何故かあたしは辛いと感じた。
 別に直にアイツが死ぬところを見たわけじゃない。
 代理人が口からでまかせを言ってる可能性だって、ないわけじゃない。
 けどあたしはそれが事実であることを『識って』いた。
 それよりも、あたしがその死を悼むことの方が意外だった。
 あたしに自分を憎ませるように仕向けた奴のすることとは思えない。
 ――いや。
 だから、だろうか。
 リディアはあたしよりもずっとこの世界に馴染んでる。
 あたしは馴染めなかったから、一時期アイツと対立した。
 その違いなのかもしれない。

 あたしとリディアは違う。
 それぞれに、違うものを求められてる。
 この世界はアイツの忘れ形見なんだろうか。
 あたしはそれを――好きだと、そう思ってるんだろうか。

 答えが見つかるのは、まだ先だと思う。


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