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持ち帰ったキャラで雑談 その二

346紅色月夜:2008/06/16(月) 23:14:17
ふと窓の外が気になり、頭上へと目を向ける。…月と目が合った。
ほんのりと紅を帯びたそれを窓から眺めながら、歌を―歌詞はないから、鼻唄だが―を歌う。
「〜〜♪〜〜〜〜〜♪」
千年の時を過ごしたあの場所でもこの月は見えているだろうか。
もしかするとあちらの月の方がここより人を魅了する力が強いかもしれない。
なにしろ、狂気で瞳が紅へと染まってしまうから―。
(そういえば―)
彼の目も鮮やかな紅色だ。
(彼も独りで月を見上げ続けていたのかな…それとも…)
人々の狂気が彼の目を染めたのか。

一息いれるように息をついて、ペットボトルに口を付ける。
「…自分も」
小さな溜め息と一緒にかすれた声が口を出る。
治す気になれないその癖に胸中で笑いながら、天へ―月へ手を伸ばす。
「自分の瞳も狂気で染まったら、貴方達の所へ行けるかな?」
掴める筈のない月を見上げ、手を閉じかけ―何かを握る。
「…………」
人の手のような感触に目を丸くする。
あちらの手か、他の何かか、見当はつかなかったものの、
笑いながら、その手を離し、そこをじっと見つめる。
黒々としたもの以外何も見えなかったが、それでも怖さはほとんどない。
いずれは自分も、あれになる。それが分かっているから。

そろそろ寝なくては。
小さく欠伸をしながら、そこへ手を振る。

「おやすみ、また明日」


窓から離れようとした少しの間、彼女がそこに居た気がした。


カーテンが引かれ、境界が引かれる


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