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持ち帰ったキャラで雑談 その二

331ぐつぐつ、ぐらぐら:2008/06/05(木) 00:33:21
コンロにかけられた大小のヤカンを見つめながら、彼は台所の隅に追いやられていた踏み台を引っ張りだし、腰掛けた。
頼まれたのは、15分ほど前。
麦茶の番を頼まれた彼に姉妹の下の方が小さなヤカンの番を頼んだのだ。
風呂上がりに茶を飲みたくてね。
肩にタオル、手に着替を持った彼女はそういうと彼が何かを言う前に
さっさとコンロにヤカンを置き、風呂場へ行ってしまったのだ。
だが、と彼は二つのヤカンを前に腕を組んだ。
どちらとも火の番という意味では大差なかった。
それが大か小か、誰に頼まれたか、そのくらいの違いだった。

ぐつぐつ

湯が沸いてきたのか、ヤカンの中で水の踊る音がする。
それはどこか人の鼓動のようだ、と彼は思った。
人の姿をした―人とは似ても似つかない彼にはどこかそれがうらやましくも感じられた。

ぐつぐつ、ぐつぐつ

体を流れるそれがやけに気になると言ったのは、件の妹だったか。
神経質の気がある彼女は首を巡る鼓動が妙に擽ったい。そう彼に話していた。

ぐつぐつ、ぐらぐら。

そうだとすれば、ちょうど目の前のヤカンの様な振動を彼女は感じているのだろうか。
ほんの少し、彼は興味をもった。



ちょうど彼女が風呂から上がるのと湯が沸くのは同じタイミングであった。
やっぱり鼓動とおなじなのかと聞くと、彼女は訳が分からんと熱い茶を飲むのだった。


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