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持ち帰ったキャラで雑談 その二

328図書館:2008/06/02(月) 16:30:36
とある大学附属の図書館の個室。
静けさが増したここで聞こえてくるのは、ペンが紙を滑る音と自身の呼吸だけ。
考え事―大体はループして、強制終了―するのには絶好の環境だと彼女は思っている。
ぺらり、と紙を捲る音に人間が顔を上げ―
「はぁい」
…何も見なかった事にして顔をレポートへ戻す。
「ちょっとぉ、無視しないでよ」
酒臭い息を吐きながら、鬼が彼女の手元を覗き込む。
「心理学ぅ?」
「…別にいいでしょ」
横に積み上げた本の背表紙を指でなぞり、目当ての本を引き抜く。
その様子に鬼は何か企む様に一番上の本を持ったまま、中身に目を通す振りをしながら、人間を見る。
「自分の心も分からない魔道士が心理学とはねぇ」
にまにまと笑う鬼に人間は答えない。ただ彼女が来る前と変わらず、ペンを滑らせている。
期待外れだったかな?とイマイチ反応のない人間を見ながら、仕方なしに本を見る。
「分からないからこそここにいる」
しばらく間を置いてから、人間が答える。
「機械だなんだで視覚化することも確かに出来る。
けど、そこに込められた思いは見ることは出来ない。
苦しみや恐怖が脳の作り出した幻想なら「私」という存在だって本当は只の幻想かもしれない。
それならどうして…」
「わわっ、ちょっとタンマ」
慌てて手を振って止める鬼に人間は口を閉ざす。
「まぁあんたが悩んでるのはよく分かってるけどさぁ…つまるところ今なにしてんの?」
頭に疑問符を大量に浮かべながら、問掛ける鬼を見つめながら、今度は人間が笑う。
「心理学のレポート書きながらエセ哲学って名前の妄想」
「なにそれ…」
普段ならば、他者を拒絶するように静まりかえった大学附属図書館の一室。
今日のそこは呆れた様子の鬼と楽しそうな人間の笑顔が咲いていた。

―レポートの裏―
図書館の閲覧個室が静かで好きです。
たまに寝るけど
―レポートの裏―


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