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持ち帰ったキャラで雑談 その二

325趣味:2008/05/31(土) 22:00:38
べべんっ。
今の日本人には大分馴染みがなくなってしまったその音色に紅は足を止めた。
「……三味線?」
しかも流れてくるのは某お姫様のテーマ曲。
ついつい腕を振り上げたくなる衝動に駆られながらも、とりあえず音源を見る。
「……ベオーク?」
見覚えある仮面を被った女が真顔―口しか見えないが多分―で三味線を一心不乱に奏でている。
べけべけべけべけ。
見ればその前には何故か正座した彼―今は彼女の娘が微妙な顔をしてこちらを見ていた。
「…やあ人間」
そりゃまあ父ちゃんがいきなり性転換したり、三味線弾き語り(語ってないけど)すれば誰だって正気を疑いたくもなる。
そもそもダークマターが正気なのかはしらんが。
「…父に聞いたんだ、趣味の一つくらいはないのかと。
後悔した、すっごく」
そこで三味線を出す奴も凄いが、それをおとなしく聞く方も聞く方だ。
「…でだ、なんで東方なんだ。てか、いつの間にネクロファンタジアになった」
相変わらず一心不乱な彼をとりあえず無視しつつ、尋ねる。
ふっとどこか達観したような顔で少女がそれに答える。
「先程八雲の大妖がな、あれに楽譜を渡しおってな」
ま た ゆ か り ん か 。


そこでふと気付く。メロディにいつの間にか笛が加わっている。
見れば、酔っ払い鬼が楽しげに笛を吹き、太鼓が打ち鳴らされ、
辺りはさながら縁日の様な賑やかさに溢れかえっていた。
呆れ顔の少女の隣で目を丸くしていると横からにゅぅっと杯を持った手が差し出される。
手の主を見て、紅は笑いながら杯を受け取った。
気付けば、狭い部屋はいつの間にやら緑生い茂る森の中へと転じ、
不思議な姿の者達がそこここで輪を組み、手を打ち鳴らし、踊っていた。
八雲の百鬼夜行。
そんな単語が頭を横切り、彼女は杯を乾かし、隣でいまだに状況が把握出来ていない少女の手を取り、
宴の輪へと入っていくのであった。


夜はまだ、これから―


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