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持ち帰ったキャラで雑談 その二

324暇潰:2008/05/31(土) 16:17:09

 人生は退屈だという人がいる。
 だが、それは間違いだ。
 それは人生が退屈なのではなく、退屈な人生を自分で選んでいるだけ。
 本当の意味で退屈な人生というものがあるのなら、それはこの世の
ありとあらゆる事象を知りつくし、その因果まで把握していることだろう。
 すべてを知り、すべてを識るが故に、すべてが予測可能な結末へ帰着する。
 たとえそれがどれだけ破滅的な末路であったとしても。
 そんな不変性こそが、真の退屈。

 私は退屈だった。

 だが、どうやら私はこの世界の神には愛されているらしい。
 私がこの世で最も嫌うものは、ここにはない。
 確かに私はこの世界の構造をわずかだが『知って』いる。
 それは――これこそ実に陳腐な表現と言えるが――神の恩寵とやらによるものだろう。
 だが、私の持ち物はそれだけ。
 この世界の趨勢も、輪廻の果ても、私には見えない。

 そのことに幸福を感じられる人間など、私くらいのものだろう。

「アスミ、それに梨花にレナも。お饅頭買ってきたから食べよ」
「まんじゅー食べるー」
「わ〜〜〜い、ボクおまんじゅう大好きなのです」
「お饅頭もいいけど、喜ぶ二人の方がもっとかぁいいね〜、お持ち帰り〜〜」
「はいそこー、さも当然のように二人をお持ち帰りしない」

 この、何もかもがありきたりで、けれど何も予測しえない世界。
 ゴールさえ存在しないかもしれない、虚ろで不安定な世界。
 そんな世界だからこそ、さぞ私を楽しませてくれることだろう。

 ――廻れ。夢が終わるその時まで。


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