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持ち帰ったキャラで雑談 その二

323風邪の日:2008/05/31(土) 10:31:14
全身を包む不快感と寒さに早苗は身を縮込ませていた。
幻想郷に来てから初めての風邪であった。
二柱の神はというと知り合いを手伝いに呼ぶと言い、彼女にはゆっくり休むよう念を押したのだった。
先程から誰かが台所に立つ音がするのももしかしたらそのためかもしれない。
包丁がまな板を叩く音。味噌汁の良い香り。
「…お母さん」
不意に外に居るであろう、母の顔が横切る。
と、同時に胸をずきりとした痛みが走る。
そのあまりの痛みに堅く閉じた瞼から涙がこぼれ落ちる。
だからだろうか、誰かが布団のすぐ側にまで来て、頭を撫でる迄早苗はその存在に気付かなかった。
「こっちみるなよ?」
知らない女性の声に思わず振り向きかけるも、相手はそれを嫌がった。
「大丈夫だ、暗いもんは皆持っていってやる」
頭を撫でられる度、早苗の胸から痛みが徐々に失せていった。
「だから、今日くらい休んどけ」
すっと手が頭から離れていくのを感じ、早苗はようやく目を開けた。
見覚えのある、ツンツン頭が後ろ手に襖を閉める姿がそこにはあった。


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