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持ち帰ったキャラで雑談 その二

316七つ怪談探偵部:2008/05/27(火) 21:46:30
「となると、これがそいつって訳になるのかねぇ」
壁に鼻を近付け、匂いをかぐ。
特にこれといった異臭―血や腐敗臭の類はなく、アサヒは肩をすくめた。
「ここはお前の分野だわ、俺じゃあ何にも分かんねぇ」
「そうだろうね。アーちゃん、ぼくより弱いもんね」
その言葉に失礼だろと返すアサヒを横目にフヨウが目を閉じ、意識を集中する。と―
“ぞるっ”。
足元を這う様に広がるそれに思わず身震いをする。
「…もうちっとどうにかならねぇのか」
彼女の足に絡み付いた黒い物を見下ろしながら、フヨウはぺろりと舌を出した。
「出来なくもないけど時間ないからさ」
そう言っている間も黒い物は床や壁へと這い回りながら、部屋全体へと広がっていく。
やがて、図書室全体が黒一色に染まった頃、漸くアサヒの足から黒い物が床へと同化していった。
「こいつら絶対わざとやってんだろ」
「さあ?」
短くそう答えると床に手をつく。
「さあ皆、この部屋で消えちゃった女の子を探すんだ。
生きてたら、絶対に生きてるままにしておいてよ。
既に死んでたら…うん、まあしょうがない」
さりげなく恐ろしい事を言う彼女の下で黒が波打ち、浮かびあがった波紋で部屋全体が揺れる。
波紋はアサヒの下ではね返ってはフヨウの元へ返っていく。
「なんか、今のお前って魚群探知機みたいだよな。
つか俺にも反応してっぞ」
「何ならみょんみょん言おっか?」
「ばーろー」
笑いながら、やりとりをする彼女達であったが、不意に表情が固くなる。
波紋が返ってきた。
「ドアは?」
「閉めて、幻惑結界張っといた。誰もここには来れねぇ筈だぜ」
返ってきた波紋は先程の壁からのみで二人は顔を見合わせた。
「見てみる」
部屋を覆っていた黒がその壁のみへと集まり、壁の中へと入り込んでいく。

「あ、ヤバいかも」

何を探り当てたのか、そう問いかける前にアサヒはフヨウと共に既に後ろへと飛び退いていた。
「やべぇっつーか、もろ大当たりって奴じゃね?」
ある程度の距離を置きながら、二人は壁から浮き上がりつつある染みに身構えるのだった。


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